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人生観を問われる、盛りだくさんな「アルフィー」2006.05.26 Friday
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女性の影が絶えず、複数の女性の間を上手く渡り歩く美青年が主人公のラブコメディなのかな、プレイボーイの手腕を見てみよう、という気軽な思いで観始めたところ、当初抱いていたイメージをはるかに超えるような要素が多分にあって、多重な魅力を備えた作品でした。
ラブコメディとしても、もちろん楽しめるけれど、人生哲学的要素も併せ持つ、予想を超えた深みのある映画でしたよ。
NYでリムジン運転手として働く主人公のイギリス人アルフィー。アルフィーは女性の心を読み取って、ゲームのような感覚で女性を手中に収め、自分本位に振るまう。けれども、人生そんなに甘くない、神は見ているよ、という感じで数々の女性関係が発端となって、災難・不幸がなだれのように襲いかかってくる。アルフィーはこれらの不幸を乗り越えられるのか?、彼の女性関係はどうなっていくのか・・・とお話は続いていきます。
ストーリーのはじまりの方は、ジュード・ロウ扮するアルフィーのプレイボーイぶりが、明るい映像の中でいかんなく発揮されていて、あまりにも自己中心的で身勝手な態度な上に、アルフィー自身がカメラ目線で細やかに解説をしているためか、わたしの嫌悪感のようなキモチに拍車がかかり、怒りがわくほどでした。 けれども、徐々に訪れる不幸な出来事とともに、天真爛漫ともとれるようなアルフィーの自由奔放な言動は姿を潜めて、映像自体も厳しい現実を突きつけているかのような寒々とした雰囲気が漂っていたことが、とても印象的でした。 アルフィーの軽いノリのプレイボーイ的な側面と、不幸な出来事に向き合って苦悶し、乗り越えていこうとする側面を繊細に演じているジュード・ロウが印象的で好感が持てましたよ。
アルフィーと関わる数々の女性を通して、様々な生き方をしている女性がリアルに描かれているのも印象的でした。女性にはひととしていろんな生き方があるんだよね〜
最も心に残ったことは、降りかかった不幸を通じてアルフィーが観ているわたしたちにも、人生観を問いかけてくるところ。 意味深い内容の作品です。
このジュード・ロウ主演の「アルフィー」、1960年代にも同名の作品があるんだよ。
現代版「アルフィー」の時代設定も1960年代だけど、ストーリーは現代風に変わっているところもあって、特にそれぞれの女性のバックヤードが現代に通じるものになっているよ。 現代版と’60年代版を観比べてみると、女性のポジションの変化などを見ることができたり、興味深い発見があっておもしろい♪
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ジム・ジャームッシュのコーヒー & シガレッツ☆ユーモアたっぷりな会話シーンを楽しむ2006.05.15 Monday
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ジム・ジャームッシュわーるどが存分に楽しめて、たまらなくコーヒーが飲みたくなり、頬がゆるんでくるような映画を観たよ。
イギー・ポップなどが主演したカフェでの会話シーンが、計11本集まったモノクロカラーのミニストーリー集。
日常のちょっとした会話のやりとりに、ユーモアが感じられて楽しかったよ。登場人物たちの醸し出す独特な”間”が、とてもいい感じでおもしろい。 ひとが抱く思い込みといった先入観や、相手にとっては悲しいかな、アリガタ迷惑になってしまう思いやりなどがユーモアたっぷりに表現されていたよ。にんげん世界で起こりがちな、発せられたことばの意味の捉え方の違いや、感情の行き違いといった人間臭い部分が、滑稽に描かれていたように思えたよ。にんげんって、ほんとおもしろくて、カワイイいきものだね〜と、こころから思えちゃう愛すべき作品。
売れっ子女優とその女優のいとこ(女性)が久しぶりに出会うストーリーで、その双方を一人二役で演じているケイト・ブランシェットが素晴らしかった。とくに、いとこの心理描写が細やかに表現されていて、売れっ子女優の方も演じてるんだよね!?と、とても双方を同一人物が演じているとは思えないほどの表現力に感動したよ♪
モノクロカラーの世界の中で、くゆらせるタバコのけむりがゆっくりと立ち上る様子が、とても美しかったよ。真上から見たアングルのコーヒーテーブルの映像もシャレた感じでおもしろいよ。オールカラーよりもモノクロ方が、より心情が伝わってくるような気もしたよ。
すんなり溶け込んだ音楽もぐっどでした♪
ジム・ジャームッシュ監督いわく、理由はないけれど、ジョニー・デップとジュリー・クリスティをペアでキャスティングしたかったそう。
ぜひ観てみたいなぁ〜
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ラヴェンダーの咲く庭で☆いくつになってもトキメクハートは変わらない2006.05.14 Sunday
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ストーリーとともに、琴線に触れる美しいバイオリンの音色と草花や草原の広がる豊かな自然風景も楽しめる映画を観たよ。
初老の姉妹が暮らす自然豊かな家のそばの海岸に、ある嵐の翌日、気を失いケガをした青年が流れ着いています。妹が発見し、姉妹の家で介抱することに・・・。ことばの通じないポーランド人の青年に、英語を教えたり、かいがいしく身の回りの世話をする妹。妹のこころには弾むような変化が訪れる。しかし、ポーランド青年の弾くバイオリンの音色を絶賛する芸術家である美女が現れる。妹の恋心の行方は?また、青年と美女との間柄はどうなっていくのか?青年の今後の人生は?と、美しいバイオリンの音色と共に、お話は進んでいきます。
穏やかで静かな暮らしの中に、突如として現れた青年の存在によって、姉妹の生活にめまぐるしい変化が訪れます。特に、妹が「グッバイ、レーニン! 」などに出演しているダニエル・ブリュール扮する青年に、恋心を抱いてしまいます。
ジュディ・デンチ扮するこの妹ですが、しぐさや振る舞いがなんともかわいらしく、まるで”恋する可憐な乙女”のようで、とても愛らしいのが印象的でした。ひとはいくつになっても感動したり、熱い感情をもってときめいたりすることに色あせたりしない、ということが表現されているかのようでした。失敗の多いわたしは、臆病になったり、異常なまでに用心深くなったりするけれど、この可憐な妹は、純粋で一途に自分の気持ちに正直に立ち向かっていき、その姿がなんとも健気でほほえましささえ感じました。 妹の恋心は青年に対して抱かれたキモチと見ることができますが、一方で、青年を通して、今までの時代背景の影響で味わえなかった”恋愛”自体に向けられた、憧憬のようにも思えましたよ。
姉が妹を気遣う姉妹愛も感じられて、心打たれました。
また、姉妹の家の家政婦さんがお茶目で、とても頼もしいところが印象的でしたよ。
映像と共に流れるバイオリンの音色が素晴らしく、聞き惚れてしまいました。情感のこもった音色が心の琴線に触れて清らかなキブンになり、とてもリラックスできます♪
→サントラ「ラヴェンダーの咲く庭で 」
バイオリンを弾いているジョシュア・ベルの音色をさらに楽しむことができるCDです。
→「ロマンス・オブ・ザ・ヴァイオリン」。
わたしもじぶんのキモチにまっすぐ向き合って、正直になりたいなぁ・・・
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モーツァルトのコンサート「レクイエム」☆パワフルな合唱に感動2006.05.06 Saturday
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モーツァルトの生前ラストとなった作品「レクイエム」を聴きに、コンサートにでかけてきたよ。
このコンサートは、5/3〜5/6に東京国際フォーラムで行われた「『熱狂の日』音楽祭2006モーツァルトと仲間たち」の演奏会のひとつ。 井上道義氏の指揮によるスペイン・ビルバオ合唱団の「レクイエム ニ短調K.626」のコンサート。
ラテン系の合唱団ということも関係しているのかなぁ、湧き出るエネルギーを強く感じたよ。 ソリストの美声・井上道義氏の熱のこもった指揮・楽団の演奏・ビルバオ合唱団による力強い歌声すべてが一体となった迫力満点の音楽が、客席5,000人のホールに響き渡る様子は絶妙〜
*ソリスト:ヨハネッテ・ゾマー(ソプラノ)、ブリッタ・シュヴァルツ(アルト)、マルクス・シェーファー(テノール)、ユベール・クレサン(バス)
*東京都交響楽団の演奏
あまりにも美しく迫力ある合唱に鳥肌が立って歌声の世界に引き込まれていき、感動の余り涙もあふれました。
井上道義氏の指揮は、ほかの曲もいろいろと聴いてみたくなるほど、熱いものが感じられました。
モーツァルトの絶筆となった「レクイエム」を、力強くエネルギッシュな作品として聴く機会が得られて、しあわせなキブンになったよ♪
A B
Aアマデウス オリジナル・サウンドトラック盤(ディレクターズ・カット版)
映像もよみがえるCD。
Bモーツァルト生誕250年記念 エターナル:モーツァルト
耳にしたことがある曲がたくさんつまったCD。
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